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成人の正常な脊柱(背骨)を側方から見ると、頸椎と腰椎では前方に軽く前方に彎曲(前彎)し、胸椎と仙尾部では軽く後方に彎曲(後彎)してS字状に並んだ背骨のアーチを描いて上体を支えています。
頚椎彎曲は頭を支えるスプリングの役割をもち、胸椎彎曲は心臓などの胸部内臓を保護するのによい形であり、腰椎彎曲は大幹と頭を支えるスプリングの役割をもち、仙尾部彎曲は骨盤内臓を保護するのによい形になっています。
このS字に並んだ背骨を腹筋や背筋で支えてバランスをとりながら立つ姿勢を保つことができます。運動不足や悪い姿勢などの生活をしていると、正しい姿勢を保つ筋力が低下して「猫背」や「出っ尻」など姿勢の崩れがでてきます。無意識に悪い姿勢を続けることによって身体が歪んでしまい身体への負担が強く掛かりますので「肩こり」や「腰痛」の原因にもなってしまいます。
猫背(骨盤後傾)・・・猫背は大腰筋、脊柱起立筋などの筋力が弱いために骨盤の後傾が原因。背骨のS字カーブが少なく腰がまっすぐ気味で、肩が内に入ってしまい、肩甲骨が外方に開いた状態になり、顔(顎)が前に突き出ます。全身がダラッとしてしまい、下腹部が前の方にでています。首や肩、腰への負担が掛かり肩こりや腰痛の原因にもなります。
出っ尻(骨盤前傾)・・・出っ尻は、腹直筋や大殿筋などの筋力が弱いために起こる骨盤の前傾が原因。一見すると胸を張り、お尻がアップした良い姿勢に見えますが、実際は背骨の力だけで体重を支えている悪い姿勢です。腹筋を使っていないので下腹部もポッコリ出てしまいます。腰にストレスが掛かりやすくなるため腰痛の原因にもなります。